投資詐欺でよくある手口とは?被害を防ぐために特徴を知ろう
投資詐欺の被害が後を絶たない中、仮想通貨など新たな投資をめぐる詐欺も発生しています。
また、恋愛感情を利用したロマンス詐欺では新たな投資詐欺も加わり被害が急増しています。
実際にどんな投資詐欺が行われているのか、言葉巧みに勧誘してくる投資詐欺の種類や手口、また被害にあわないためにはどうすればいいのかを解説します。
目次
詐欺の代表的な手口
ポンジ・スキーム
詐欺の中で最も多い手口といわれているのが、「ポンジ・スキーム」です。
名前の由来であるアメリカの天才詐欺師チャールズ・ポンジが、1910〜20年代にかけて行った詐欺です。
【ポンジ・スキームの仕組み】
出資当初は配当がもらえるため信用してしまいますが、実際は運用をしておらず、他者の出資金を充てているだけです。つまり破綻することを前提にお金をだまし取っているのです。
ポンジ自身が行った詐欺は今から100年前の時代の話ですが、この手法は対象となる商材を変えながら現代でも使われており、近年では仮想通貨詐欺の手口にもなっています。
劇場型詐欺
複数の人物がストーリー仕立てで行う詐欺の手口です。
オレオレ詐欺(振り込め詐欺)も、息子だけでなく警察役や息子の上司役などが登場して演劇のようにストーリーがすすみ、自分がお金を払わないと息子が助からないと思わせる劇場型詐欺の一種です。
劇場型の投資詐欺では、未公開株など架空の投資を勧める業者と、その未公開株を高値で買い取る業者が、全く関係のない別々の業者として登場します。
業者Aから「○○社の未公開株に高額な値がついているので、もし持っていたら買い取りたい」と電話等で話を持ちかける。
後日、業者Bから「限られた人だけにA社の未公開株を売っている」と電話がくる。
お金を払ったところ、どちらの業者とも連絡がとれなくなる。
「この取引は儲かる、取引をしないと損をしてしまう」と思い込ませるのが常套手段です。
被害回復型詐欺
過去に被害を受けた人に、「被害にあった額を返金する」「だまされた株を買い取る代わりに別の株を買って」などの話を電話で持ちかけ、金銭をだまし取る詐欺です。
被害回復の救済とみせかけ、返金額の送金や株の回収のためには出資金や保証金が必要などといって高額なお金を振り込ませます。さらに審査が必要なため手数料が必要などといい、別にお金を振り込ませ、その後突然連絡が取れなくなるといったケースもあります。
投資詐欺にあうと、その個人情報が悪質業者に間に出回っている可能性があります。詐欺被害にあった人の「被害を回復したい」「損を取り戻したい」という心理状態に漬け込んだ悪質な詐欺で、二次被害を生んでしまいます。
被害回復型詐欺では、弁護士をかたって信じ込ませるケースも多くみられます。
よくある投資詐欺
ここまで代表的な詐欺の手法について説明してきましたが、ここからは、実際の商品や権利を使って行われる詐欺について紹介します。
未公開株を使った詐欺
未公開株とは、証券取引所に上場(公開)されていない企業の株式(非上場株)のことをいいます。上場していないため、証券取引所での取引はできません。
未公開株を使った詐欺は「近いうちに上場する予定の未公開株がある、上場すれば高値がつく、安い値の今のうちに購入して上場後に高値で売れば差額で儲けられる」などと勧誘してきます。
実際は上場される予定など全くないにもかかわらず、こうした話を持ちかけて金銭をだまし取ります。また、実在しない架空の会社の株を購入させるケースもあります。
外国通貨を使った詐欺
詐欺で使われる外国通貨はドルなどの有名通貨ではなく、開発途上国など一般的にあまり流通していない外国通貨が使われます。
開発途上の国の通貨を、「将来大きく経済成長すると見込めるため、安い値の今のうちに購入しておき、経済成長で値上がりした時に売れば差額で儲けられる」などと勧誘してきます。
実際にその外国通貨が手元に届いても日本国内では換金困難なことが多く、さらに実際の価値よりも相当高く買わされているため、ほとんど価値のない通貨だけが残ってしまいます。
仮想通貨(暗号資産)を使った詐欺
仮想通貨とは、ビットコイン、イーサリアム、リップルなどインターネット上で取引されるデジタル通貨のことで、ドルや円などの法定通貨と違い管理者が存在しない通貨です。 仮想通貨詐欺では、例えば次のような詐欺があります。
【ネットワークビジネスを利用した詐欺】
【ICOを利用した詐欺】
このICOを利用して資金調達をした後に連絡が取れなくなる詐欺です。
権利に関わるものを使った詐欺
権利に関わる投資詐欺では、最近話題になっているワードを持ち出し、将来性があるように見える事業、社会貢献につながりそうな事業などを投資対象にして勧誘する詐欺です。
例えば・・・
風力発電や太陽光発電、iPS細胞などのワードを持ち出して、「発電設備を設置する土地の権利」や「新技術に関する知的財産権」などへの投資だと勧誘します。
多くの場合、取引の実態があいまいで、どのように配当が行われるかが明らかではなく、お金だけをだまし取られてしまいます。
【詐欺でよく使われる言葉一覧】
ロマンス詐欺・マッチングアプリ詐欺
出会い系サイトやマッチングアプリなどで知り合った相手から投資を勧められ、その後投資したお金が出金できず連絡も取れなくなり、結果お金をだまし取られてしまう詐欺です。
外国人を名乗る人物から積極的にアプローチされ、恋愛感情を抱かせてから投資の話を持ち出され、金銭をだます手法です。
投資詐欺の被害にあわないために
投資詐欺にあわないようにするにはどうすればいいのでしょうか。
だまされないためのポイントを紹介します。
うまい話には乗らない
投資にはリスクがあります。これは、「無リスクで元本保証、年10%を超えるリターンがある」という商品は存在しないということです。
これらの言葉が入る場合は必ずといっていいほどあやしい投資話なので乗らないでください。
知らない人からの勧誘は受けない
知らない人から持ちかけられた投資話は、まずあやしいと疑いましょう。
また、同じような投資話を複数の人から持ちかけられた場合も要注意です。
「知らない人が、しかも複数人が同じ投資話をしている」「著名人やインフルエンサーも投資している」など、たくさんの人が投資していると聞くと信じやすくなりますが、信じさせるための仕掛けである可能性が高いので鵜呑みにしないようにしましょう。
理解できないものには投資しない
説明を聞いても理解できない投資話は、そもそも説明をごまかしている可能性があります。
またリスクについて説明していない、リスクについて質問してもちゃんと答えられない場合も詐欺である可能性が高いです。
仮に投資をして儲けが出たとしても、理解していないとなぜ儲けが出たかがわかりません。そうなると次も儲かるだろうと投資してしまいますが、最初に儲けを出して信じ込ませてさらにお金をだまし取る詐欺の可能性があります。理解できないものには最初から投資はしないようにしましょう。
未公開株、非上場株、私募債は買わない
未公開株などは購入を幅広く勧誘するものではありません。そのため一般の人が未公開株などの購入を持ちかけられることはまずないと考えておきましょう。
「あなただけに」「今だけ」などと話を持ちかけられると、私だけにチャンスがきたと思うかもしれませんが、見ず知らずの他人に持ちかけること自体あやしい話です。
公的機関からの依頼だといっても信用しない
「金融庁や公的機関から許可や委託を受けている」などといって投資を勧誘してくる業者もいます。
金融庁など公的機関が特定の業者に投資の勧誘を指示することはありません。
実在する会社か、金融庁に登録されているかを確認する
投資などの商品を取り扱う会社は金融庁の登録が必要です。
投資を持ちかけられたら、その会社が実在しているか、金融庁に登録されているかを確認しましょう。登録されているかどうかは金融庁のホームページで検索して探すことができます。
もし詐欺にあってしまった場合には、警察や国民生活センターなどの公的機関へ相談するとともに、専門の調査会社への依頼も検討しましょう。