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仮想通貨の詐欺コイン、見分けられますか?詐欺コインの例

仮想通貨の種類

仮想通貨には、「詐欺コイン」と呼ばれるものが存在します。
オンライン上で取引が完結する仮想通貨は詐欺も横行しやすく、騙されないように注意しなければいけません。

ここでは、「詐欺コインとはなにか」を詳しく解説します。
詐欺コインの特徴や、実際に詐欺コインと噂される仮想通貨を知り、詐欺にあわないようにしましょう。

目次

仮想通貨(暗号資産)の種類

仮想通貨の種類

仮想通貨には3つの種類があります。

①ビットコイン

Bitcoin(ビットコイン)は世界初のデジタル通貨です。通貨の単位は「BTC」で表されます。
時価総額は約73兆7,000億円(2022年5月18日現在)で、暗号資産市場の時価総額ランキング1位です。
仮想通貨の中で最も知名度が高いため、「仮想通貨=ビットコイン」だと思っている人が多いかもしれません。

②アルトコイン

アルトコインとは、「ビットコイン以外の仮想通貨」の総称で、正式には「alternative coin」と言います。
ビットコインの仕組みを元に作られたものが多く、全世界でおよそ18,000種類あると言われています。
代表的なアルトコインには、「Ethereum(イーサリアム)」「Ripple(リップル)」、日本発の「Monacoin(モナコイン)」などがあります。

③詐欺コイン

絶対に手を出してはいけないのが仮想通貨が詐欺コインです。「スキャムコイン」とも呼ばれ、「人をだますために作られた仮想通貨」です。

✔仮想通貨?暗号通貨?暗号資産?何が違うの?

仮想通貨について調べていると、「仮想通貨」以外に「暗号通貨」「暗号資産」という言葉に出合います。
これらは、すべてほぼ同じ意味です。
最初にデジタル通貨を「Virtual Currency(仮想通貨)」と呼び、時を経て「Cryptocurrency(暗号通貨)」と呼ばれるようになりました。

その後、世界中で暗号通貨が使われるようになったことを受け、現在では国際的に正式な場では「Crypto asset(暗号資産)」と表現されています。
日本でも世界基準に合わせ、2018年12月に、金融庁が仮想通貨の呼称を暗号資産に改めると発表、2020年5月1日に正式に施行されました。

詐欺コインとは?

詐欺コインとは?

絶対に手を出してはいけない「詐欺コイン」とは、どのようなものなのでしょうか。
実は、正式に「これが詐欺コインです」という定義はなく、言うなれば「集めた資金を持ち逃げする目的で発行された未公開の仮想通貨のこと」です。

仮想通貨の上場・未公開ってどういうこと?

仮想通貨は、暗号資産交換業者(=取引所)に扱われることで一般の投資家が売買できるようになり、価格が上昇する傾向にあります。これを、「上場する」と言います。
一方、上場前の仮想通貨は「未公開の仮想通貨」と呼ばれます。

未公開の仮想通貨は詐欺コインなの?

「未公開の仮想通貨を投資家に購入させ、実際には上場せずに集めた資金を持ち逃げする」詐欺が多いため、「未公開の仮想通貨=詐欺コイン」と考える人もいますが、必ずしもそうではありません。実際に上場される仮想通貨もあります。

詐欺コインの特徴

詐欺コインの特徴には以下のようなものがあります。ひとつでも当てはまる場合は、「詐欺コインかもしれない」と疑ってみましょう。

取引所から購入できない

上場している仮想通貨は、暗号資産交換業者(取引所)から購入します。
日本国内での仮想通貨売買については金融庁に登録してある業者からしかできませんが、海外の取引所を利用して購入することも可能です。

「取引所では購入できない」「先行販売」のように、購入場所や時期の限定をする仮想通貨は詐欺コインの可能性が高いと言えます。

最低購入金額が高く設定されている

取引所によって異なりますが、仮想通貨は一般的に数百円から、種類によっては数円から購入できます。
10万円や100万円など、最低購入金額が高額に設定されているのは「詐欺師に利益を出すため」であり、詐欺コインの可能性があると考えたほうがよいでしょう。

買い取り・値上がり保証がある

仮想通貨に限らず、投資に100%の保証はありません。「購入した仮想通貨が気に入らない場合は必ず買い取ります」「自社で買い支えているため一定のライン以下には絶対に下落しない」「上場後は200倍になることが補償されている」など、買い取り保証・値上がり保証があるものは詐欺コインと考えられます。

セミナーや知人を通して販売されている

詐欺コインは、セミナー限定や知人の紹介限定などで販売されていることが多いです。
また、紹介料を目的とした「マルチ商法」「ねずみ講」の場合もあります。

代理店が販売している

仮想通貨は金融庁に登録された暗号資産交換業者しか売買できません。
「海外の仮想通貨と独占契約を結んだ代理店です」などと謳っている場合、詐欺コインの可能性が高いでしょう。

著名人の名前を使ってアピールしている

「芸能人の○○さんも購入」「有名な○○さんがおすすめしている」など、著名人の名前を使って仮想通貨をアピールしている場合も危険です。
一般人は著名人に確認する術がないことをわかっていて、無断で名前を使用していることがあります。

公式サイトやホワイトペーパーに不備が目立つ

開発目的や将来性などを投資家に伝えるため、仮想通貨には多くの場合公式サイトやホワイトペーパー、ロードマップが用意されています。
それらのない仮想通貨は問題外ですが、仮にあったとしてもスペルの不備が目立ったり、創設者の情報が記載されていなかったり、書かれている内容に信ぴょう性がない場合は詐欺コインを疑いましょう。

詐欺コインと噂のある仮想通貨

仮想通貨は、知名度の高いものを除いて「詐欺コインかどうか」を判断するのはとても難しいです。
ここでは、詐欺コインと噂されているコインについて紹介します。

クローバーコイン

「クローバーコイン」は、48(よつば)ホールディングス株式会社が販売した仮想通貨です。
2015年頃からセミナー等で販売が開始され、2017年10月3日に終了しました。
2017年10月27日付けの日本経済新聞に「「仮想通貨」販売で虚偽説明 消費者庁、業者を取引停止」という見出しで記事が掲載され、詐欺コインとして有名になった仮想通貨です。

セミナーでは「3ヶ月で128倍の価値になる」「絶対に値上がりする。公開前の仮想通貨を購入しなければ損をする」」など、確実に値上がりするかのように宣伝していました。また、紹介した人に紹介料が支払われる「マルチ商法」まがいの一面もありました。

現在でも48ホールディングス株式会社は存在しており、ホームページでは「返金に応じる」としています。しかし、実際にはなかなか返金に至っていないため、最初から詐欺を目的として販売されたのではないかと噂されています。

サークルコイン

「サークルコイン」は、アメリカのネオシード(NEOSEED CORP.)が発行し、那覇市の合同会社エクラドクール社が販売していた仮想通貨です。
2019年6月6日付けの日本経済新聞に「仮想通貨販売会社、9億円所得隠し 国税局指摘」という見出しで記事が掲載され、「ネオシードには実体がなく、エクラドクールが仕入れ代金として計上した9億円が架空経費だった」と国税局に判断されています。

既にサークルコインを購入している人の紹介がなければ新たには購入できず、紹介者には報酬が入る「マルチ商法」で販売されていたようです。
マルチ商法自体は合法ですが、サークルコインの発行企業に実体がないことや2022年現在でも未上場であることから、詐欺コインではないかと言われています。

ノアコイン

「ノアコイン」は、「フィリピンの社会問題を解決し、経済を発展させること」を目的にノア財団が発行した仮想通貨です。
2017年から数回にわたりICO(※)を行い、40億円以上の資金を調達しました。

実は、ノアコインは現在「ノアプラチナム」と名前を変えて、海外の取引所「BTCNEXT」に上場しているアルトコインです。
2019年にノア財団からプラチナム社に運営が変わり、コインの名前も「ノアコイン」から「ノアプラチナム」に変更されました。
しかし、以下のような理由から、詐欺コインの可能性が高いと言われています。

  • 宣伝文句「フィリピンの国家的プロジェクトである」ことをフィリピン政府が正式に否定し、ICOでの購入者に返金対応を行ったこと
  • 当初のロードマップ通りに進んでいないこと
  • 日本の取引所での扱いは無く、BTCNEXTは無登録の海外取引所として金融庁から警告を受けていること

詐欺コインと確定はできませんが、手は出さない方が賢明です。

※ICO(Initial Coin Offering)とは、「企業等が電子的にトークン(証票)を発行して、公衆から資金調達を行う行為の総称」(金融庁HPより)

マイン

「マイン」は、「法定通貨を利用せず、仮想通貨のみで成立する経済圏構築」を目的に発行された仮想通貨です。
JR東日本の中づりや大手メディアに掲載された広告、人気YouTuberラファエルさんのマインに関する動画を見たことがあるかもしれません。
これらの大々的な宣伝のおかげで、ICO時には大変な盛り上がりを見せました。

しかし2022年現在、発行元の株式会社Crannovaやマインの公式サイトは閉鎖され、公式Twitterも停止、ロードマップも2018年から更新がありません。
「ICOで集まった資金を持って逃げた」と言われており、詐欺コインの可能性が高いです。

「新聞など大手メディアに広告が出ているから」「有名人が宣伝しているから」などを理由に惑わされないよう注意しましょう。

TLCコイン(トゥルーライフコイン)

「TLCコイン」は、健康食品などの販売を行う「クラブスパークル株式会社」が発行した仮想通貨です。
次世代のビットコインを目指して2015年から販売され、2021年1月に販売終了しています。
2018年に上場を予定していましたが、2022年現在も延期されたままです。

ホワイトペーパーやロードマップも公開されておらず、マルチ商法で販売していることから詐欺コインと噂されています。

上記の仮想通貨のほか、「アイゼンコイン」「ジュエルコイン」「ワンコイン」なども詐欺コインではないかと言われています。

✔リップルは詐欺コインだった?

現在多くの国内取引所で扱われており、時価総額ランキング6位の仮想通貨「リップル(ripple)」。 アメリカのリップル社が開発し、現在の時価総額は5兆円を超えています。 実は、リップルも詐欺コインではないかと疑われていました。 2017年10月18日付けの日本経済新聞に「仮想通貨関連会社代表を強制捜査へ リップル取引巡り詐欺容疑」という見出しで記事が掲載されたため、「詐欺コインではないか」と言われたのです。 実際には、逮捕された男が運営していた「リップルトレードジャパン」はリップル社とはなんの関係もありませんでした。 リップル社は、仮想通貨の配布を謳った「Give Away詐欺」への注意喚起文を公式声明として発表しています。

詐欺にあわないようにするためには

詐欺コインによる被害にあわないためにできる方法は、たったひとつ。

「国内の登録された取引所で、上場している仮想通貨を買うこと」

です。

いわゆる大手の仮想通貨取引所は、金融庁に登録されているため安心です。
一攫千金を狙い、「必ず儲かる」などの甘言に騙されないようにしてください。また、自分がしっかり納得できないものには手を出さないようにしましょう。

詐欺コインかもしれないと思ったら

もしも、「購入した仮想通貨が詐欺コインかもしれない」と思ったら、できるだけ早く下記に相談しましょう。

①仮想通貨追跡やトランザクション調査に強い調査会社

購入した仮想通貨が詐欺コインかどうかをスピーディーに調べてもらうなら、相談先は専門の調査会社一択です。

相談は基本的に無料なので、できるだけ早く相談しましょう。

②詐欺事案の取り扱い経験が豊富な法律事務所

法律のプロに相談をするのもよいでしょう。ただ、仮想通貨の対応を行っているかどうかを事前に確認しましょう。また、調査会社に比べると高額な場合が多いので依頼前にはきちんと内容を確認しましょう。

③消費者センターや国民生活センター

無料で親身に相談にのってくれますので、気軽に相談するのもよいでしょう。ただし、詐欺コインかどうかの判別や、だまし取られたお金の追跡調査はできません。

④警察

詐欺被害にあった場合、まず警察に相談する方がほとんどでしょう。

ただ、仮想通貨詐欺の場合は被害届を受理してもらえないことが多く、突き止めて騙されたお金を取り戻すなどの解決を望むと落胆するかもしれません。警察は「民事不介入」が原則のため、追跡調査ができないので返金交渉などは行うことができないのです。

詐欺コインの判別や追跡など踏み込んだ調査や返金を目的とした場合は、専門の調査会社への依頼をおすすめします。

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