仮想通貨詐欺で取られたお金は返金できる?方法は?
仮想通貨詐欺の手口には代表的な6つの種類がありますが、「返金が難しい」共通の理由があります。
また、詐欺にあうとまず警察への相談を検討すると思いますが、実際は警察が動いてくれることは少なく、また返金交渉を行ってくれることもありません。
ここでは詐欺の手口や返金が困難な理由を紹介し、その上で返金させる方法や返金交渉に必要な情報について詳しく解説します。
目次
仮想通貨詐欺の手口
仮想通貨詐欺の手口は年々変化していますが、主だった手口は以下の6種類です。
高配当を約束する
「必ず儲かる」「絶対に価値が下落しない」「今買っておけば、後々価値が200倍になる保証がある」など、価格保証や高配当を約束する詐欺です。
「ポンジ・スキーム」とも呼ばれ、高額な紹介料を約束する「マルチ商法」のような詐欺も含まれます。
デマを流す
何の根拠もなく「この仮想通貨が値上がりするらしい」など嘘の情報を流して仮想通貨の価値を上げ、詐欺師にとって都合のいいタイミングで売り抜ける手口です。
悪気がなくても「この仮想通貨が上がるらしいよ」などの一言で被害者を生んでしまうことがあるため、注意が必要です。
ICOプロジェクト詐欺
ICOとは、資金調達のために企業が発行したトークンを投資家が購入し、その資金で企業は事業を興しトークンの価値を上げる行為です。詐欺では事業が行われなかったり、企業と連絡がつかなくなったりします。
「トークンセール」とも呼ばれる手口で、「ICOプロジェクトの8割が詐欺」と言われています。
SNS、マッチングアプリを利用した詐欺
アプリ経由で知り合った相手に仮想通貨での送金を要求されたり、投資を勧められたりする、若い世代に被害者が多い詐欺です。
「SNSやマッチングアプリで知り合った相手に投資話を持ち掛けられ、投資したものの出金できなくなる」ことが代表事例です。
無登録業者による勧誘
日本国内で仮想通貨の売買取引を行う場合、金融庁に登録する必要があります。
この登録をしていない「無登録業者」による勧誘は、詐欺の可能性が高いです。
フィッシング詐欺、なりすまし詐欺
偽のサイトに誘導してIDやパスワードを盗み出したり、有名人や特定の人物になりすまして金銭をだまし取ったりする詐欺です。
なりすまし詐欺の代表的なものに「オレオレ詐欺」があります。
仮想通貨詐欺の返金が難しい理由
仮想通貨詐欺は返金させることが難しく、被害者は泣き寝入りとなってしまうケースも少なくありません。
理由は、以下の通りです。
仮想通貨はお金の流れが追いにくい
仮想通貨は法定通貨と違い、硬貨や紙幣などの実体がなく、銀行など第三者機関を挟まないでやり取りができる匿名性の高い通貨です。
トランザクション(取引データ)自体は永久的に残されるため、本人確認が必要な取引所を経由している場合は時間がかかっても足取りが追えます。
しかし、取引所自体が偽のものだったりすると、特定するのは途端に困難になります。
相手の身元確認が難しい
オンライン上のやり取りは相手と会わずに行われることも多く、仮想通貨はウォレットアドレスさえわかれば個人間での送金が可能です。
そのため、顔も名前も知らない相手でも送金でき、たとえ相手が名乗っていてもそれが本名かどうかの確認ができないのです。詐欺師が海外に拠点を置いている場合、身元の特定はより困難になります。
被害に気付きにくい
最初は少額の送金依頼であったり、投資セミナーで説明された通りの配当があったりすることが多く、詐欺被害に気付きにくいことがあります。
時間が経って詐欺に気付いても、その時には犯人は逃亡しており、証拠も隠滅されています。
警察に相談しても返金されない?
詐欺被害にあった場合、まずは警察に相談すべきです。犯人が逮捕されれば、情状酌量や刑の減刑を狙って被害弁償する可能性があります。
しかし、実は警察に相談しても返金に至らないことがほとんどです。
犯人が返金交渉に応じない場合、それは民事事件として扱われることになります。警察は「民事不介入」が原則のため、「犯人を捕まえる」ことは行っても、その後の返金請求は担当外なのです。
また、犯人逮捕の可能性が低かったり、被害額が低かったりすると、被害届を受理してもらえないことがあります。
そもそも警察自体が仮想通貨詐欺に詳しくないため、すぐには動けないという事情もあります。
これらのことから、「仮想通貨詐欺の相談を警察にしても、返金まで至ることは困難である」と考えた方が良いのです。
仮想通貨詐欺で騙し取られたお金を返金させるには
①調査会社へ相談して相手の特定を行う
仮想通貨詐欺でだまし取られたお金を返金させるには、「専門の調査会社へ相談して相手の特定をした上で、弁護士に相談する」ことが最短ルートです。
調査会社では、以下のような内容を徹底的に調査し、詐欺師を特定したり、仮想通貨のあるウォレットを見つけ出したりします。
- メールやLINEなどを使ったやり取り
- だまし取られた仮想通貨のトランザクション(取引データ)調査
調査会社によっては、海外のチームと連携して調査を進めることもあります。 調査会社の調査が終了したら、調査報告書が渡されます。
仮想通貨詐欺の調査を行うには、webツールに強く、仮想通貨についての専門的な知識を有している必要があります。
一般的な探偵事務所では対応が難しいので、必ず仮想通貨詐欺専門の、実績のある調査会社を選択
②弁護士へ依頼して返金請求を行う
調査会社から受け取った調査報告書を持って、弁護士に返金交渉を依頼すると、今後の対応や返金見込みなどのアドバイスが貰えます。
さらに、詐欺師の元へ送る内容証明郵便の作成や返金交渉、訴訟・裁判など民事上の手続きの代理対応をしてくれます。
これらの代理対応は、代理権を持つ弁護士(もしくは司法書士)でないとできません。
【内容証明郵便】
いつ、どのような内容の文書を誰から誰宛てに送ったかを証明できる郵便です。
弁護士に依頼して作成・発送した場合、弁護士の名前が入るため、相手に心理的圧迫を与えることができます。
【返金交渉】
内容証明郵便が相手に届いた後、返金交渉を行います。
すぐに返金されれば問題ありませんが、「分割で返す」「働いて返金する」といった場合は支払条件などについて交渉します。
返金の交渉がまとまれば「示談書」や「念書」などの書面にしますが、返金に応じない場合は民事訴訟を起こします。
【民事訴訟】
訴訟にて争うと、原告・被告双方の主張や提出された証拠書類をもとに、裁判官が判決を下します。裁判の途中で、裁判官から提案された和解案によって解決することもあります。
相手が裁判に出席しない場合は、原告の主張がそのまま通り、勝訴となります。
なお、民事訴訟を起こすことで相手が資産を隠す恐れがある場合には、訴訟前に相手の資産を一時的に凍結します。この手続きを「民事保全」といいます。
【強制執行】
裁判での和解や勝訴判決が出ても支払われない場合、相手の財産に強制執行を行います。
すぐに支払えるだけの財産がなくても、勤務先の給与などが差し押さえの対象になります。
仮想通貨詐欺の返金請求に必要な情報
「仮想通貨詐欺にあった!」とやみくもに言うだけでは、それが本当に詐欺なのかどうか証明できません。
仮想通貨詐欺の返金請求を行う際には、以下のような情報を集めておきましょう。
相手に関する情報
SNSやマッチングアプリで知り合ったオンライン上のみの付き合いの場合、相手の名乗っている名前が本名かどうかわかりません。
それでも、現在わかっている情報はすべて記録しておきましょう。
調査会社に依頼する際も、これらの情報が役に立ちます。
- 氏名(会社名)・住所(所在地)
- 振込口座(どこからどこへ)
- 誘導されたサイト名やURL
- メールやLINEなどのやり取り など
被害に関する情報
実際に受けた被害に関しての細かい情報を記録しておきます。
お金を振りこんだ場合、振込を依頼してきた人と銀行口座名が異なっていたら、それも記録しておきましょう。
詐欺師は自分の銀行口座を持てないため、他人名義の口座を使うことがよくあるからです。
また仮想通貨の購入画面など、スクリーンショットで保存した画像も貴重な証拠となります。
- 被害にあった(振り込みをした)日時
- 被害にあった金額 など
詐欺の手口(振り込むまでの流れ)に関する情報
相手と連絡を取り合うようになった経緯や、時系列でやり取りの流れなどをまとめておきましょう。
いつ勧誘を受けたのか、振り込んだのか、連絡が付かなくなったのかなどを記録すると、詐欺にあったことを説明しやすくなります。
また「どの段階で仮想通貨が動き始めたか」がわかることで、調査会社でのトランザクション(取引データ)追跡にも役立ちます。
仮想通貨詐欺かもしれないと思ったら
仮想通貨詐欺にあったかもしれない、と思ったら、すぐに調査会社などへ相談しましょう。
被害にあってから時間が経ちすぎてしまうと、すでに仮想通貨を処分されていたり、証拠を隠滅して犯人が逃亡していたりして、被害額を回収できないことがあります。
仮想通貨詐欺は時間との勝負です。
あやしいと思ったら、すぐに無料相談だけでも受けてみましょう。